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随想7 GRⅢはやっぱり素晴らしい

なくしたGRⅢ、結局警察を訪ねたりしても見つからなかったのだが、GRⅢにしか埋められない心の穴があったので、オークションを探して相対的にだいぶ安く購入。センサーゴミがあるとのことで不安だったが、許容範囲だったのでむしろラッキーだった。いざとなればまたリコーに送って修理してもらってもよい。なくしてから覗いてみるとかなりいい写りでボケの遠近感もある。COOLPIXと比較すると、GRですらだいぶ重い、と思ったのは驚きだった。今度はAirTagをつけて運用しようと思う。

 

関係ないけれどいまSNSではにわかにGR3xブームが来ていると思う。センサーとエンジンには差がないが、レンズ構成(xの方が1枚多い)と画角に違いがある。無印が28mmで、xは40mm。登場初期は、40mmの方が画質がいいということで話題になっており、たしかに見るとなんとなくLeica的な写りだな、と思うこともあったが、なぜそうなるかの決定打をつかめず、カメラ屋の比較などを見ていると、やはり焦点距離以上の差はないような気もした。ところが最近xで試写している人がまたいたのだが、この写真が異常にクオリティ高く、おいおい中版で撮ってんのかよ、みたいな仕上がりを出してきていてしかも「GR Lensは解像感が高すぎるので指紋をつけてぼんやりさせるとよい」という驚くべきことを言っていて(まあフィルターをつけるのと一緒といえば一緒だが)、それでこの品質の写真を出してくると思うと舌を巻いた。それを見るとGR3x圧倒的に素晴らしいと思わされた。

 

なので3を調達したあとに3xがよいと思わされると胸がざわつくところがあるのだが、俺にとっては28mmの方が重要で、40mmだと、50mmよりは広いとはいえやはり12mm狭い。28mmで運用していると24mmより全然狭いなどと思うのだから、この差は巨大だ。基本はストリートスナップなので、映っているものが多い方がいい。もちろん切り取る方が作品性があがるのだが、画角が狭いということはフレーミングに脳を使うということだから大変だ。広い方が総合的にいって楽だ。あとからトリミングもできるし。こうしてみるとGR3xの方が趣味性が髙い。凝り性向きというか。そう思うとより羨ましくなる。買ってしまうかもしれないが、X100Vもあるのでまあ究極的にはいらんかなとも思っている。

 

3xの写りがよく見えるのはボケ感のせいもあって、確かに40mmでF2.8だとそこそこボケる。しかし実は28mmのF2.8でもけっこうボケるので、無印の方がボケないように感じるのはあくまでも相対評価であり、相対的に考えれば40mm F2.8は50mmのF1.8や35mmのF1.8よりもボケていないはずなのである。数字の印象は(逆説的だが)全て相対評価であり、写真の印象は絶対評価だ。いずれにせよGR3とGR3xはこのサイズのカメラとして撮れる写真の中では圧倒的トップのクオリティと思われる。

 

ここまで書いてきて思ったが僕は段落の末尾を「思われる」だの「思う」だので終わらせすぎだな。まあ今回についてはこれをわざわざ直そうとは思わないのだが。GR3がいいと思うのはサイズ感もさることながらAPS-Cという脅威のセンサーサイズの大きさ。だってマイクロフォーサーズより大きいんですのよ。表現力もさることながら、これだけあれば夜でも小さいカメラで撮れるね、っていうのが重要なところ。本当にとりあえずそれだけ。スマホでも無理すりゃ撮れるが、やっぱ無理。

 

3xを買ったはいいが、旅行先でぜんぜん広く撮れなくて最悪だった、みたいな感想記事を読んだ。そりゃ当たり前やろ……だって40mmなんだもん。40mmだけど引けば28mmの画角もカバーできます、みたいな記事も見た。やはり本末転倒している。40mmのライフスタイルはこういうもんで、みたいなものを書いてくれないとな。久々に手元に戻ってきた28mmを色々といじっていたら、やはり遠近感とかも素晴らしいしそもそも28mmでたいへんよいものだったな、と思った。あと16MPの初代GRを使っている人のブログも読んだが、実に味わいのある写真を撮っていた。これを見たら初代GRを安くゲットする選択肢もあったな、と思うくらい。でもまあGRⅢの方が高感度耐性はあると思うので、こちらで。

 

そんなことを言っていたらなんかGRⅢとGRⅢxを値上げするという大本営発表があった。材料不足とのことで。まあそんなん関係なくセカンダリーマーケットでは値上がってたし、あんま影響なさそうだな、とか思ったりした。